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そして日本には
「つまらない住宅」が
あふれた

日本では高度成長期からバブル経済再生期あたりまで、両親と子ども二人の家庭を称して「標準世帯」などという言葉が使われていました。

家族構成だけでなく、収入や暮らし方にいたるまで、「家庭といえばだいたいこんな感じですよね」という認識が平気で共有されていたのです。

こうしたこともあり、その頃までの住宅取得といえば画一的な選択肢の中から新築で建てるか、あるいは完成した建売住宅を買うかが主流で、とりわけマンションなどの集合住宅では内装も間取りも金太郎飴みないに決まりきったものになりがちでしたが、そのことに抵抗感を示す人の方が少数派でした。

供給側であるハウスメーカーやマンションデベロッパーにしても、事業の効率性や販売のしやすさをどうしても重視せざるを得ず、その結果、最大公約数的な無難な間取りの住宅が大量発生することとなってしまいます。

大量供給された分譲マンションは一般的に狭い玄関から続く狭くて長い廊下の左右に細かく区切られた部屋があって、取ってつけたような和室がリビングの横にある、というのが大半で、時を経た今、言葉はよくありませんが、そのような「つまらない住宅」が中古不動産として全国的に新築をしのぐ勢いで流通するようになってきたのです。

ところが、一人暮らしがあらゆる世代で増えたり、子供の独立でライフステージが変化したりと、家族の形も住まいに対する価値観も多様化した現在、住宅の選択方法も大きく変わろうとしています。

自分たちに合った住まい方(中身)と住まい(器)の関係にシンプルな答えなどあるはずもありません。

新築価格が高騰する中、中古で安価な「つまらない住宅」はリノベーションして生まれ変わらせるのに最適であり、自分らしい生き方を求める人々にとって今は絶好のチャンスでもあるのです。